『永山流 水彩画法 -永山裕子 薔薇を描く-』を10倍楽しんでください! Vol.4
チャプター 3  〔下地作り 3〕

すでに4回目となりました。でもまだ17分しか過ぎていません。それほど情報が詰まっているということですね。下地作りまででこんなに書く事になるとは正直思っていませんでした。でも、どうしても皆さんに伝えておきたいことばかりで省けません。ちょっと長丁場になりますが、さらに核心に迫っていきますのでお付き合いください。

《17分46秒〜18分54秒》
主役と脇役のお話です。前々回の最後に「あなたがこの絵の監督である」ことを書きましたが、まさにここでは主役と脇役をあなたが指示しながら動かしていくことをお話していますね。主役ばっかりフィーチャーしてもいい映画はできませんよね。名脇役がいてこそ主役が引き立ち作品の質が上がるわけですから、主役と同等以上に脇役にも気を遣うべきだと思います。
永山流 水彩画法

《18分27秒〜18分55秒》

画塾で小学生を見ていると、真っ先に自分の興味のあるところを集中して描くのですが、それが出来上がってしまうと急に集中が途切れて「先生、できた」と言ってきます。「まだバックが描いてないじゃん」というと「えーっ・・・」といやいや残った絵具を雑に塗りたくり「これでいい?」と終わらせようとします。私は「だめー。バックをちゃんと描かないとせっかくていねいに描いた主役がかわいそうだよ」と言います。バックも名脇役にしてあげてくださいね。

《19分18秒〜19分55秒》
私も反射はとても気になるところです。物はお互いに光(=色)を反射しあっています。隣にあるもの同士も、テーブルに置かれたリンゴとテーブルクロスも、壁際に置かれた花瓶も、それぞれみんな反射しあってるんですね。だから、実際はそうでなくても青いバックにしたらその前にあるものにはバックの青が影響していないとおかしな空間になってしまいます。ただ、やたらと青くすればいいかというとそれも問題です。どっち向きの面に青が映るか考えながら色を置いていくといいと思います。そこまで見るにはちょっとデッサンの勉強が必要かもしれませんが。
永山流 水彩画法

《21分49秒〜23分32秒》
お塩の効果はとても興味をそそる部分だと思います。透明水彩ならではの特殊効果ですね。永山さんも丁寧にお話してくれているので十分だと思いますが、なぜダリアの下地が放射状に白く抜けているか気になりませんか? 水を含ませた紙に絵具を置くと、置いたところを中心に毛管現象(懐かしい響き)で広がっていきますよね。そのタイミングでお塩をまくと、お塩の粒子が色を吸い取ってそこから先は色が薄くなります。絵具が動いている
時にお塩を振るのがポイントですね。
永山流 水彩画法

《25分00秒〜》
一度に3枚同時進行!ちょっと真似できませんね。誤解しないでほしいのですが、展覧会の作品がサラリと簡単に描かれているなんて事は一切ありません。これが永山流の凄いところ。泰明画廊の個展のための制作ではかなり前に出品予定作品を画廊に搬入してあるにもかかわらず、その後描いたいい作品と入れ替えていく作業が延々と続いたようです。だからこそあの密度の高い展覧会が実現できたのです。私は会場に長くいると酔ってしまうほど濃厚なオーラを感じ、会場から外に出て深呼吸したほどです。

つづく>>